また起こってしまった。事件の概要はこうだ。
伊藤忠商事の元社員(男性・30代)が出向先のニュージーランドで約7億円を横領し、FXに流用していたそうだ。続きの前にランキング投票お願いします。
男性は3月に懲戒解雇されたけど、会社側は業務上横領で告発する方針なんだとか。会計監査でバレることを恐れてこの2月末に告白したようだけど、横領した7億円はほとんど残っていなかったそうだ。
横領は許されざる犯罪だから罰せられるべきだと思うし、絶対にやってはいけないことだけど、この男性はどんな心情だったんだろうか。最初から会社のお金に手をつけてたのか、それとも家族の将来などのためのお金を全て失ってからなのか、動機はわからない。
たぶん、やってもやっても負け続け(含み損が増え続け)るという恐怖と、横領をストップできないという恐怖はあったのだろうけど、人間の脳には痛みを忘れようとするメカニズムがあるから、やってるうちに罪悪感が使命感や根拠のない希望に麻痺されていったんじゃないだろうか?だったとしたらそれはとても恐ろしいことだ。
世間はまたこの事件で『FXは恐ろしい』なんていうだろうけど、恐ろしいのは人間の欲望に満ちた行動だ。
そして自制心を失った人間の行動は、自分だけでなく自分以外の人も不幸にしてしまう。それは何百・何千年も前から変わらないんだ。
ニュースによると財務を担当してた2012年5月~2014年2月に会社の銀行から個人の口座に複数回送金していたそうだ。含み損をカバーするため証拠金を追加していたか、負けを取り戻そうと何度も負けトレードを繰り返したかのどちらかだけど、どっちであっても7億円も投入してわずか2年弱でほぼ失うってのは、自制心が崩壊したマネージメントなきトレードだったんじゃないだろうか。
ここからはさらに推測が増すけど、もしかしたらドル円やその他クロス円だったら彼がどんなトレードをやっていたかはそれなりに想像できると思う。
2012年5月~2014年2月といえば、もろにアベアップトレンドだったからね…。ストップを入れないかストップが異常に広い逆張り、無計画なナンピンや危険な机上論のマーチンゲールといったトレードを繰り返したのかもしれない。同時期にそういったロジックをもったEAが次々と破綻していたことは有名な話だ。
もしトレンドフォロートレードだったとしたら、ハイレバフルロットのノンマネージメントでかつルールが崩壊した感情トレードだったのかもしれない。でなければ、短期間で7億円も失うトレードは逆にできない。
しかし、横領したおかげでガッツリと勝てて会社にコッソリお金を戻せたとしても、監査が入ればいずれにしてもバレるんじゃないか?とは思うけど、横領はもちろん借金したり生活の質を落してまでトレードするもんじゃないね…。
更新日:2014年04月18日(金)
著者プロフィール
FX専業(兼業?)トレーダーをやりながら、MT4のEA/インジケーターの開発やFX関連情報サイトを運営しています。ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨トレードもやってます。2016年でFX歴7年目、独立して6年目となりました。元WEBデザイナー/ディレクターです。
トレードで勝ち抜く唯一無二の手法は「継続!」だと思っています。
またの機会にぜひ当サイトをご利用いただけるご縁があればとても嬉しく思います。今後ともよろしくおねがいいたします。
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2014年04月18日(金) | カテゴリー: FX業界・状況・関連